「『逃げ地図』WS in 函館市役所」に参加しました!(2024.1.31)
函館市主催「逃げ地図ワークショップ」が1月31日(水)に函館市役所で開催され、まちづくりセンタースタッフの仙石が参加してきました!行政、まちづくり団体、防災関係者、大学、保険会社等の分野から約40名が参加されました。地域のまちづくりでは災害に対する事前の備えが重要視されています。
「逃げ地図」とは「津波が押し寄せた際、最も近い避難場所まで何分程度かかるのかが一目でわかる地図」のことで、地域で暮らす人たちの「いざというときにどうするかの話し合いの道具」として位置付けられています。
北海道大学教授の瀬戸口剛先生からは「函館市における津波避難シミュレーション」をテーマにご講演いただいたほか、明治大学教授(日本都市計画家協会会長)の山本俊哉さん(写真)からは「『逃げ地図』づくりの趣旨と方法」についてご講演いただきました。
それらの話を踏まえた「逃げ地図ワークショップ」では、「亀田港町」「北浜町」「高盛町」の3町分の「逃げ地図」を作成しました。これらの地域は、津波が押し寄せた際に避難困難地域と言われています。
夏と冬の2パターン作成する必要があるため、6つのグループに分かれました。
3分間で移動できる平均的な長さ(足の悪い高齢者などが基準)は夏場が129メートル、冬場が103メートルになります。
私は「北浜町(冬)」の「逃げ地図」を作成するグループに入ったのですが、防災士の方が各グループに加わっていたのでとても心強かったです!
避難方法は、高台などへの「水平避難」と津波避難ビルへの「垂直避難」の2種類です。函館市が発行したハザードマップを下書きにして、白地図にマッピングした「ゴール(避難目標地点)」から避難経路を色鉛筆で塗りつぶしていきます。
避難目標地点から3分ごとに「緑」「黄緑」「黄」「橙」「赤」「紫」「茶色」「黒」の順で道路等を色分けしていくのですが・・・
すると・・・危険な地域が一目瞭然!?
海岸沿いは「紫」or「茶色」or「黒」に!
驚きの結果となりました!
「逃げ地図」作成後は各グループがプレゼンテーションを行い、気付いた点を共有しました!
共有された点は下記の通りです。
- 行政頼りではなく、町内会で緊急時にどうしていくか考えなければならない
- 線路をまたぐための通路が2〜3本あるとよい
- 夏と冬では状況が大きく変わる
- 大地震が起きた時も状況が大きく変わる(建物が倒壊したり、陸橋が崩落することを前提に考えるべき)
- 津波避難ビルが少ない
- 車の渋滞が発生することも考えられるのではないか
- 細い道が多いので臨機応変な対応が必要
- 逃げ道の分かれ道に「こっちの方が近いよ!」のサインがあるとよい
- 工場地帯は昼と夜とで被害に差が出る
- 工場地帯の事業所では自主的な避難訓練が必要ではないか
- 新たな避難場所や避難経路をつくると避難経路の色が変わる
津波発生時のシミュレーションをするだけで、これだけ多くの気付いた点が挙げられるのですから、普段から防災意識を高めていかなければならないと再認識できるワークショップでした!
北浜町会の方からは、津波避難ビルに指定されていない民間のビルに交渉して、自主的に逃げ場所を確保しているというお話もありました。(詳しくはこちら)
まちづくりセンターとしては、防災意識を高めるための活動をしてまいりたいと考えております!
参加させていただきありがとうございました!
スタッフ せんごく