1985年12月、その日、NHK教育テレビを見ていた私は、
言葉も無くただただ画面を見つめ続けていたことを、今でもはっきり覚えています。
番組タイトルは『知己を後生に待つ~岡村昭彦のたどった道』
次々と紹介される岡村昭彦の写真は、
大阪で何も考えずに学生生活を送っていた私にとって、頭をぶち抜かれるような衝撃でした。
兵士の拷問に使われた水に群がりそれを飲むアヒルを捉えたベトナム戦争の一場面や村の子ども達が遠くを見つめる目、民族紛争にゆれるアイルランドのベルファストで、集まった人々を、群衆の中の一人という目線で写した一枚など、テレビ画面に映し出された岡村昭彦の写真は、そのどれもが、
私に「人とは何か?」を問うものだったのです。
あれから22年。
当時、無我夢中で録画したVTRは今ではベータのため観ることが叶わず、
岡村昭彦とは、私の記憶の中から引っ張り出すことでしか会うことができなくなっていました。
この年末年始、まちづくりセンターで、写真展「岡村昭彦の軌跡~十字街からベトナムへ。ホスピスへ。」が開催されています。
“願いか叶うまちセン”で、その願いが叶い、
今、再び岡村昭彦が写した世界と出会うことができました。
私が、22年前に受けた衝撃を、「人とは何か?」という問いを、
新しい年を迎える今だからこそ、一人でも多くの方に感じていただければ幸いです。
写真展「岡村昭彦の軌跡~十字街からベトナムへ。ホスピスへ。」
函館市地域交流まちづくりセンター2階フリースペースで、
平成19年12月24日(月)~平成20年1月12日(土) ※12月31日~1月3日は休館日
9時~18時。 開催。
入場無料。
岡村昭彦の写真約150点。ぜひご覧下さい。
(記:センター長 まるふじ)