今月の絵画は、1982年に描かれた”函館港俯仰(ふぎょう)”です。
今から26年前の6月の新緑の函館港を見た作品です。
横津連峰が柔らかな緑に覆われ、港には青函連絡船”松前丸”が岸壁より離岸し、青森に船頭を向ける姿があり、海面を風を切って走る姿は、まじかに迫る夏の季節を予感させます。
旧金森百貨店の高い塔、まだ観光化されていないひっそりとした倉庫群、今は失われたレンガ造りの白百合学園の女子寮とポプラ並木が当時を思い出させます。
この作品、池谷氏の明るい風景画の多い作品の中で手前の風景が暗く、遠方が明るい明暗がハッキリした絵画です。
ぜひ、足を延ばし御鑑賞ください。
先月までの展示絵画
・5月 「庭の春」
・4月 「トラピスチヌ修道院内庭」 「修道院の丘より 天使立像」
・3月 「函館の眺め」
・2月 「函館秋燈」1965