Mission5『交流場所の創出』 -〔特集〕新たな視点でまちづくりに取り組む
はこまち通信 vol.57掲載(2021年7月発行)
Web版クーポラでは、紙面で掲載しきれなかった内容も掲載しております!
【対談ゲスト】IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者 川北 秀人 さん
地域の課題を解決するため、まちづくりセンター(以下まちセン)は2007年のオープン以来、5つのミッションを掲げて活動してきました。最終回の今号は『交流場所の創出』について取り上げます。
まちセンではこれまでイベントや作品展等がほぼ毎日のように催され、イベントを主催する市民活動団体からは「自分たちの活動を広く知ってもらえました」「共に活動する仲間が増えました」とのお声を、地域の方からは「まちセンに行けば何かやっているね」「ここはいつもにぎやかで楽しいですね」とのお声をいただいてきました。
この1年はまちセンに限らず、あらゆるイベントや集まりが中止、または延期、規模縮小せざるを得ませんでした。このような状況のなかで、まちセンがどのようにして新たな交流の場所を確保していくのかが、大きな課題となっています。
特集の最終回は、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者川北秀人さんをゲストにお迎えし、スタッフ全員で解決策を共有しました。(2021年3月31日)
今回のゲスト
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
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― 今回のクーポラ対談は、まちセンのミッションのひとつ『交流場所の創出』をテーマにお聞きしたいです。
■川北さん
さっそくですがまちセンのみなさんに提案です。ミッションが『交流場所の創出』となっていますが、場所じゃなきゃダメですか?『場所』だと現状は難しいけど、『場』ならできることがあると思いますよ。ミッションは『交流の場の創出』でもよいのではないでしょうか。
■まちセン
これまでは『まちセンに来てもらうこと』が前提でしたので、この状況でいったいどうすれば交流が図れるのか、悩み続けてきました。本当はまちセンに来てほしい、でも表立って『来て』と言えない。ブレーキをふみながらアクセルを踏むような、例えるならそんな状況でした。
川北さんのおっしゃるとおり、『場所』と『場』ではとらえ方が大きく変わりますね。このタイミングで気づくことができて良かったです。まさに『発想の転換』ですね。
2021年度は、2年ぶりに主催事業『NPOまつり』を開催予定です。ただし例年と同様、というわけにはいきませんので、今年は初の『オンライン開催』です。これも『交流の場の創出』の柱として進めてまいります。
函館の市民活動団体にはシニアの会員さんもいらっしゃるので、本番に向けて『オンライン練習会』も必要かと考えています。
■川北さん
年齢による『デジタルの壁』は確かにありますが、高齢者のタブレット端末の保有率は、世界で日本が一番高いですよね。もちろん、それでもまだ、スマホやタブレットをもっていない方もいらっしゃいますので、写真を撮ったり動画を撮影したり、実際に使って見せるといいと思います。「みんなそうやって使っているんだ!これはすごく便利だ!」と気付くわけです。
オンラインなど『交流の手法』は増えていますが、リアル(対面)は絶対に復活させなくちゃいけないので、リアルにもぜひ取り組んでください。例えば、みなさんが市民活動団体の活動拠点(事務所等)に『往診』(訪問)して、困りごとや新たな取り組みを聞き取り、新しい発想で『活動の場』を生み出すこと。これも『場の創出』です。
団体にアンケートを取ることもおススメです。見えてきた団体の課題に、まちセンのみなさんが知恵を絞って、新たな『プログラムの創出』をはじめていただきたいです。
■まちセン
そうですね。今年のNPOまつりのテーマを『一歩ふみだそう』と決めました。私たちまちセンスタッフも知恵を絞り、一歩ふみだしていきます。
川北さんは、全国各地の中間支援施設(まちセンのように、地域のNPO・市民活動団体を支援する施設)をご覧だと思いますのでお聞きしたいのですが、まちセンという空間を客観的にご覧になってみて、どう思われますか?
■川北さん
まちセンは何より天井が高いのがいいですよね。窓も開けられるので、感染症対策を講じながら使える施設だと思います。サーキュレーターもあるとなおいいですね。寒くても窓を開けて換気しなければならなかったので、この冬はみなさん大変だったことと思います。
■まちセン
はい、コロナ禍で迎えた初めての冬は、室内の温度をキープしながらの換気がとても大変でした。昨年末、サーキュレーターの導入も検討したのですが、残念ながら予算の都合上、調達できませんでした。今後も来館されるみなさんの安心、安全のため、何が良いのかを探っていきたいと思います。
■川北さん
今後、感染症が終息したあとの『交流の場(所)の創出』ですが、従来のやりかたに戻すのでは足りないと思います。まちセンのみなさんには、いままで市民活動に興味がなかった方々に働きかける活動を、今のうちからしっかり取り組んでもらいたいです。
例えば地元企業への働きかけや、この空間をいかしたハイブリッドな会議(オンラインとリアル、双方を取り入れた会議)などを、地域の方々に提案してみてください。
■まちセン
ありがとうございます。かつてデパートだった広い空間を最大限にいかして、新たな交流の場を生み出いきたいと思います。
■ 課題解決に向けての新たな視点
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2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため開催中止しましたが
2021年は「一歩ふみだそう」をテーマにオンラインで開催します。
オンライン会議用アプリZoom(ズーム)を利用して各団体との交流を図ります。
★共感できる仲間を見つける
★他団体と協働する
きっかけづくりの場として、どうぞご参加ください。
■PR動画制作
受付は終了しました。9月上旬の公開をどうぞお楽しみに。
■Zoom交流会
ゲストスピーカー・参加申込受付日などの詳細は随時HPにてお知らせします。
交流会に向けて、Zoom練習会を開催中です。
■Webポスター展
市民活動団体のポスターをデータ化して、まちづくりセンターのHPで公開します。内容更新・新規参加の方はご連絡ください。データ締切は7月31日(土)まで。
◎ 主催:NPOまつり実行委員会
▶ 各種お問い合わせ 函館市地域交流まちづくりセンター TEL 0138-22-9700
▼これまでの特集ページはこちら
新たな視点でまちづくりに取り組む
- 【 NPO・市民活動団体の支援 】 vol.53 〔2020年7月〕掲載
- 【 移 住 支 援 】 vol.54 〔2020年10月〕掲載
- 【 生涯学習の活動支援 】vol.55 〔2021年1月〕掲載
- 【 情 報 発 信 】vol.56 〔2021年4月〕掲載