10月21日(日) 第4回「函館たてもの探訪」都市の文脈をたどる豊川・大手町編

商業建築が多く建ち並ぶ
豊川町・大手町を巡ります

日時: 2018年10月21日(日)13:00~15:00(解散予定)

集合場所: 函館市地域交流まちづくりセンター(函館市末広町4-19)

解散場所: 函館大手町ハウス cafe centenaire(函館市大手町5-1)

小雨決行

参加費: 300円(傷害保険料込み)、函館大手町ハウス飲み物代金(内部見学者のみ)

定員: 20名(事前申し込み制・先着順)

申込先: はこだて町並み資料館(TEL: 0138-83-1186)

○当日について○
歩きやすい服装でご参加ください。
防寒対策や飲料水などは、各自でご準備をお願いします。

主催・問合せ: 函館たてもの探訪の会(はこだて町並み資料館内 TEL: 0138-83-1186)


 

函館たてもの探訪 第四回 豊川町・大手町編

1 はこだて工芸舎  末広町8番8号

以前は梅津商店で店舗併用住宅である。木骨コン
クリート造りの建物で昭和9年の大火で崩壊したた
め、外観意匠をそのまま踏襲して建て直している。
木造ながら耐火建築に似た重量感のある建物に
なっている。(「函館の建築探訪」より)

○建築年は昭和9年後
○第20回歴風文化賞受賞

 

2 花かるた 大手町2番12号

(旧)児玉商店、幕末からの歴史をもち、花札の北海
道地区総代理店だったという。
表の看板は明治初年に京都の花札製造元から贈られた看板で、店の名前をそのままとっている。
(「函館の建築探訪」より)

昭和9年後に建てられ、外観は檜で2階は前面の縦繁格子が印象的で屋根は瓦葺きだったそうだが、今はトタン葺きになっている。

○第18回歴風文化賞受賞

3 (旧)函館信用金庫 豊川町15番20号

富山に本店があった十二銀行の支店で昭和9年の大火で残り、その後、北陸銀行の支店となり、昭和53年の函館信用金庫が取得している。
1階と隅部周りは白い貼り石仕上げで、2、3階の茶系のタイル仕上げで外観の対比をしている。
設計は木子幸三郎で十二銀行の支店を多数手掛けている。
(「総覧日本の建築」、「函館の建築探訪」より)

4 佐藤十五郎宅   豊川町9番20号

昭和9年の大火後の建築で、寄棟、平入り、二階建てです。海産物問屋を営む店舗併用住宅で、前面を全て出格子窓で印象的な和風外観です。
大工は「茶屋亭」と同じ人で、材料は当主の出身地の新潟から取り寄せた欅材で上等な造りである。
(「函館市史、都市・住文化編」より)

5 豊川神社社務所 豊川町9番14号

昭和9年の大火直後に建てられ、緑色の小屋根で
デザインされた望楼がこの建物のアクセントになって
いる。
望楼下の凹凸でデザインされた装飾や側面の丸
窓もこの建物の特徴といえる。(歴風賞受賞評)

○第32回歴風文化賞受賞

6 紫ぜん   豊川町10番10号

明治末期に木骨2階建て土蔵として建築された。当初は呉服商の倉庫として使用され、昭和初期には海産物の保管、終戦直後は進駐軍からの没収を恐れて食器やワインの隠し場所として使用した。
外観は瓦屋根、外壁の厚いモルタル、内部の太い柱と梁など重量感を感じられる。(歴風賞受賞評)

○第20回歴風文化賞受賞

7 はこだて明治館  豊川町11番17号

明治44年に大火で焼失した後着工され、レンガ造り2階建てで、中央は木造トラスト構造で吹き抜
けになっている。
昭和36年に民間に払い下げられ、昭和58年には工芸家協同組合が中心となり「ユニオンスクエ
ア」として開館し、現在は「明治館」としてショッピングモールとなっている。(「函館の建築探訪」より)

8 カフェ&ダイニング リット  大手町3番8号

明治45年に木骨2階建ての土蔵として建築されている。室内の柱、梁などが創建当時のままであ
る。このあたりは昭和9年の大火にあっているが、残ったと思われる。
平成15年に飲食・雑貨店として再生した。(歴風賞受賞評)

○第23回歴風文化賞受賞

9 加賀谷旗店  大手町10番12号

傾斜の緩い妻入りは函館にはあまりない。創業120年だが、以前は西川町であったという。この建物は大正3年という。
全面はササラ子下見板張りで窓は切子格子である。主要な柱の底部は鉄板で囲っている
のがめずらしい、柱の腐りを防ぐためか?
玄関上の看板に付く「鶴亀」の彫刻は富山の井波の彫師のものだそうである。(主人談)

○第22回歴風文化賞受賞

10 ニチロビル  大手町5番9号

日露漁業の前身は堤商会で、大正元年に函館に移転し、大正10年に日露業業を創立。
ニチロビルはその隆盛期の昭和9年に建てられた。鉄筋コンクリート造4階建てで1階は石貼り風外壁にア
ーチ窓を付け、上階には彫りの深い縦長窓が整然と並ぶ、昭和初期の重厚な事務所建築です。
(「総覧日本の建築」、「函館の建築探訪」より)

11 大手町ハウス  大手町5番1号

大正7年に旧浅野セメント社屋として建てられ、旧北海道漁業公社が引き継ぎ、88年以降は空家にな
り、2004年に喫茶店に再利用される。
構造は木造2階建て外壁はモルタルで石造り風の意匠だが、正面隅柱はブロック積みで補強している。
装飾のある縦長窓や上部にアーチ窓の付いた正面玄関、その上のバルコニーと風格のある大正期の事務所建築である。(「函館の建築探訪」より)
施工は旧函館区公会堂の村木甚三郎と言われる。

○第22回歴風文化賞受賞
○第10回都市景観賞受賞
*平成17年に登録有形文化財となる。

《参考資料》

「函館の建築探訪」 / 北海道新聞社
「総覧・日本の建築、北海道・東北編」 / 新建築社
「函館市史 都市・住文化編」 / 函館市
「歴風文化賞」 / 函館の歴史的風土を守る会
「函館西部地区 Ⅰ港側部」 / 茂木治
「関根要太郎研究室@はこだて」 / ブログ

 

 


2018年6月10日(日)実施「第3回 函館たてもの探訪 -都市の文脈をたどる 元町編」

6月10日(日)第3回「函館たてもの探訪」都市の文脈をたどる元町編

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