みなさまこんにちは。店長ソメキです。
最近、ちょうど同じ時期に、
まったく違うタイプの2人のお客さまから
ご自身のエッセイ集が届けられました。
1つは、西堀滋樹『路上にて』。
北海道新聞道南版みなみ風の中の「立待岬」欄に
書き続けられたエッセイがまとめられています。
西堀さんのホームページはコチラです。
子どもの頃を過ごした西部地区に対する思い入れや、
また、最近映画化の準備が進められているご友人であり
同士であったという佐藤泰志への思いも綴られており大変興味深いです。
オタジィラのお客さまであり、当店取り扱い中の『文学散歩』や講座でお世話になり、
実は私の同級生のお父様(!)
初対面はたまたま居合わせたBar杉の子だという不思議なご縁の西堀さん。
エッセイ集はオタジィラでもご覧になれます。
是非、お手に取りください。
もう1つは、81歳の女性の常連さんが持ってきてくださった
新聞に投稿して掲載された記事の切り抜き集。20年にわたる作品集です。
戦時中の思い出や亡くなったご主人への想い、
日々の暮らしの心がけ、社会に対する考え方などが
簡潔にそしてユーモアをもって書かれています。
私にとっては言わば、祖母と同世代の女性が記した歴史の記録。
特に戦時中のエピソードなどからは、
あまり多くを語らない祖母の青春が想像させられ興味深いです。
お客さまのいつもの明るい雰囲気を知っているからなおさら、
ときどきクスリと笑わされたり、じんわり涙がにじんだり・・・。
新聞等で読むリアルタイムのエッセイは、
書き手の切り口のおもしろさを楽しむことが多いのですが、
エッセイ集のおもしろさは、
書いた方が解釈した時代の移り変わりを
読み取れることかもしれないなと、感じました。
二人のお客さまが、選び、紡いだ意思あることばたちと、
その行間に漂う前向きでユーモアある姿勢に、
私も、今目の前にある世界の彩りに目を向けて暮らしていきたいと
思わされる、素敵な2つのエッセイ集でした。