- 【 NPO・市民活動団体の支援 】 -vol.53 〔2020年 7月発行〕
- 【 移 住 支 援 】 -vol.54 〔2020年 10月発行〕
- 【 生涯学習の活動支援 】 -vol.55 〔2021年 1月発行〕
- 【 情 報 発 信 】 -vol.56 〔2021年 4月発行〕
- 【 交流場所の創出 】 -vol.57 〔2021年 7月発行〕
はこまち通信 vol.53掲載(2020年7月発行)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により函館及び道南のNPO・市民活動団体の活動や事業が大きな影響を受けています。
地域の課題を解決するため、函館市地域交流まちづくりセンター(以下まちセン)は『5つのミッション』を掲げて活動してきました。
感染症の終息が見えず、さまざまな制約が生じるなか、これからはどのような視点でまちづくりに取り組むべきか。
そこで今回は『NPO法人はこだて街なかプロジェクト』理事長の山内 一男さんをゲストに、ミッションのひとつ『市民活動団体の支援』に焦点を当てながら、今後について、丸藤センター長、大矢センター長代理がお話をお聞きしました(2020.5.26)。
山内さんのNPOの活動はどうされていますか。
■山内さん
NPOや市民活動団体にはそれぞれ『活動の目的』があり、『活動を継続』することで『社会的責任』を担っていますから、『活動を止める』『活動が止まる』という今の状況はハンディが大きすぎるよね。
仲間と集まって打合せしたいけどできない。調べごとがあっても図書館が閉まっている(取材当時)。私のNPOも研修会を予定していましたが、東京や札幌から講師を招くことができなくなりました。
仲間とは電話やメール、Webツールにも挑戦しながら、活動が再開できることになった時のための準備は続けているのですが、お互いの熱量が伝わらずもどかしい。やはり『仲間と集まって、直接会って話す』のとは大違いですね。
■丸藤
確かに『情報の共有』だったり『進捗の確認』ということなら電話やメール等でもできますよね。一方で、NPOや市民活動団体の活動に必要な『新しいものをつくりあげる』ということでいえば、『集まることができない今の状況』は、とてもやりづらいですよね。
今後はどのような支援が必要となるでしょうか
■山内さん
臨時休館から再開したまちセンも、これまでとは違った対応が求められるでしょう。団体からの『資金相談』や『クラウドファンディング』といった相談に、スタッフがどこまで対応できるか。相談業務は、何よりスピーディーな対応が一番です。まずはすぐ回答してあげて「あれ?別の解決法もあるぞ」となったら、また連絡してあげれば、団体のみなさんも安心できると思います。
■丸藤
はい、団体からの相談業務において、まちセンスタッフのさらなるスキルアップは欠かせません。そのためには何より、北海道内の『中間支援組織』と情報を共有しながら『協働で支援する』ことが必要と考えます。
『新型コロナウイルスの影響によるNPO及び多様な市民活動の存続危機に対する支援に関する要望書の提出』(次ページ参照)もそのひとつです。私も、これまで札幌で実施していた『中間支援組織』の会議を『Web会議』に移行して、連絡を取り合っています(センター長 丸藤の「今 伝えたいこと」ページ参照)。
■山内さん
どの分野の団体も大変だと思いますが、『文化・芸術』分野の団体は特に大変だと思います。例を挙げると、私の知り合いに『こどもたちに人形劇を見せる団体』があるのですが、団体側が対策を講じて「大丈夫」と思っても、今の状況の中で活動することを社会が許すでしょうか。
私のNPOも、このさき活動を再開できることになって、動き始めようとするときに、加速をつけられるか…『組織の体力』にとても不安を感じています。
まちセンには、『NPOの活動が止まる』というこの現状が『社会にとってマイナスである』ということを、世間に広く知ってもらう役割も担ってほしいです。
■大矢
まちセンも『NPOまつり』の中止を決めました。『函館野外劇』を運営する『NPO市民創作 函館野外劇』事務局や、『はこだて国際民俗芸術祭』を運営する『(一社)ワールズ・ミート・ジャパン』など、函館の夏を代表するイベントを企画する市民活動団体が、イベントの中止や規模の縮小を発表しています。函館近郊の団体が、具体的にどんな状況で、どんな支援を求めているのかを知るために、『緊急アンケート』を実施しました(ページ下参照)。寄せられた声に応えていくことと同時に、世間にも広く発信していきます。
終わりに
■山内さん
『新たな日常』が求められているけど、僕はやっぱり相手の顔色を見たいし、相手の温度を確かめたい。やはり「人と人とがふれあう」「顔をあわせて話し合う」ことをしなければ、NPOの活動は何も生まれないし、何も生み出せない。一番大事なことだと思いますよ。
■丸藤・大矢
そうですね。やはりそれにつきると思います。本日は、さまざまな角度から『まちセンの新たな視点』を提示していただき、ありがとうございました。
■ 課題解決に向けての新たな視点
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今回のゲスト
山内 一男 さん
函館市出身。建築企画山内事務所 代表
NPO法人はこだて街なかプロジェクト 理事
NPO法人NPOサポートはこだて 理事長
■ 北海道NPOサポートセンターによる無料相談
〔対 象〕
コロナウイルス感染症防止対策によって団体運営に影響が出ている道内の非営利団体、NPO法人、任意団体、一般社団法人(非営利型)、一般財団法人(非営利型) など
〔相談内容〕
- 資金調達(融資、助成金等)
- 在宅勤務等に伴う労務的な課題
- 理事会/総会の開催
- その他お困りのこと
相談について、詳しくはこちら
▶ COVID-19 電話・WEB相談を受け付けます![無料] (NPO法人北海道NPOサポートセンター)
◎新型コロナウイルスの影響によるNPO及び多様な市民活動の救済措置の要望書を提出しました
主な内容 : 事業者等に対する各種支援や補助をNPOに対しても同様に実施を
提出先 : 北海道道民課を通し鈴木北海道知事および関係各部署
提出日 : 第1回・4月27日、第2回・6月4日
提出団体 : 道内の中間支援組織(7団体)の連名
◎緊急アンケートの結果報告(抜粋)
新型コロナウイルス感染症拡大によるNPO・市民活動団体等への緊急アンケート回答結果(函館及び近郊)
調査・集計/NPO法人NPOサポートはこだて(2020年5月15日~31日)
アンケート送付210団体のうち90団体からの回答。
Q1. 団体の主な活動分野について
Q2.新型コロナウイルス感染拡大により、団体の活動や経営に影響が生じていますか?
Q3. 具体的にどうような影響を受けているのか (※複数回答)
◎ 企業同様、NPO等も経済的に大きな影響を受けており、
また活動や団体の存続においても危機的影響が出てきています。
▼ アンケートの全結果はこちら
感染症に伴う緊急アンケート結果報告(2020.6)
はこまち通信 vol.54掲載(2020年10月発行)
地域の課題を解決するため、まちづくりセンターは2007年のオープン以来、5つのミッションを掲げて活動してきました。なかでも移動したり、他の地域の方と接する機会がある『移住者支援』については早急に『新たな視点』が必要です。『移住サポートセンター』Webページへのアクセス数は増加しており、移住情報を発信するメールマガジン(以下『メルマガ』)への登録者数は460人と過去最高になりました。(※8月31日現在)
2013年に地元、函館にUターンした『箱バル不動産』代表、蒲生寛之さんも、移住相談に力を入れるおひとりです。「暮らしを見つける宿」がコンセプトの宿泊施設『SMALL TOWN HOSTEL(スモール タウン ホステル 以下ホステル)』では「函館で暮らす楽しさ」を発信したり、2019年10月には移住検討者セミナー(東京・有楽町)のゲストとして登壇。集まった関東圏の移住検討者に向けて、自身のUターン体験を熱っぽく語りました。
オンラインツールやSNSを活用し「自粛中もめちゃめちゃ忙しかったです」と振り返る蒲生さん。『新たな視点』での支援について、大矢センター長代理、はこだて暮らしコンシェルジュ谷口がお話をお聞きしました。(2020.8.5)
外出自粛期間中、蒲生さんの活動はどんな影響や変化がありましたか?
蒲生さん
5月からホステルで『オンライン宿泊』をはじめました。僕も最初に聞いたときは正直、疑問に思いましたが、この取り組みをスタートしたゲストハウス(和歌山県)の『オンライン宿泊』を実際に体験してみたところ、とても有意義な時間を過ごせたんです。
函館での暮らしぶりやホステルのことをオンラインで紹介できると分かったので「自分でも掘り下げてみたい」と思ったのがきっかけです。
『オンライン宿泊』のメリットは『非対面』で人と会話ができるところです。感染のリスクもおさえられるうえ、移動の時間がかからない点もいいなと思います。SNSで告知したところ、若い方に限らず、50代など幅広い年代の方が参加してくれました。
谷口
オンライン宿泊ですか!わたしたちもオンライン移住相談窓口の開設に向けて準備中です(10/1より受付開始)。蒲生さんはいつも新しいことに取り組んでいるイメージがあります。ほかにもまだありますか?
蒲生さん
「函館で暮らす楽しさ」を伝えたくて、ホステルのプロモーションビデオを制作しました。撮影は昨秋でしたが公開のタイミングがこの時期に重なってしまいました。公開したときは反響が大きかったです。
8月9月は『西部地区の魅力』と『泊まる楽しさ』の両方を知ってもらいたくて、ホステルの『一棟貸しプラン』を実施します。例えば、仲が良い家族数組で宿泊したら、中止になってしまった幼稚園の「お泊り会」の代わりに、楽しい思い出が作れるんじゃないかって。
『一棟貸しプラン』は函館の方にもおすすめしています。遠くに行くことだけが、旅じゃないですからね。
大矢
私たちも移住希望者と接するときは「函館での暮らし」を中心に情報提供することを心がけています。函館の良さ、暮らす楽しさを知ってもらう。これは移住希望者だけじゃなく、私たち函館市民にも言えることですよね。
谷口
そうですね。私たちが楽しく暮らすことが大事ですよね。ところで、蒲生さんは生まれも育ちも西部地区なんですよね?
蒲生さん
いえ、生まれは本通で、両親が家を建てて、中学から西部地区です。西部地区には海も山もあって、大門(駅前地区)も割と近いので、自転車であちこち走りまわってました。
やがて函館を離れて東京で暮らすうち、アンティークや骨董に興味を持ったり、古い建物をリノベーションしたギャラリーや、そこで活動するクリエイターたちと知り合ったりするなかで「そういえば、函館にもそんな建物がたくさんあったな!」と。
でも、帰省するたび、それらの古い建物が解体されていて、残念に思ってました。
大矢
そうでしたか、てっきりお生まれも西部地区かと思ってました(笑)。中学からだったんですね。
谷口
蒲生さんのまわりには、共に西部地区の魅力を発信する『箱バル不動産』のメンバーや、『IN&OUT』阿部光平さん(函館出身、東京在住のフリーライター)など、『仲間に恵まれている』というイメージがあります。ちなみに阿部さんとはどちらで知り合ったのでしょうか?
蒲生さん
(『函館に移住した人』『函館を離れた人』を紹介するウェブサイト『IN&OUT』の)阿部さんは、高校の時の2年先輩です。よく行く洋服屋さんが一緒だったり、函館のライブ会場で会ったりするうちに親しくなりました。東京で暮らしていた頃もひんぱんに連絡を取ってましたね。
谷口
『IN&OUT』では、蒲生さんのインタビュー記事もたっぷりと掲載されてますよね。ご自身のUターン体験や函館・西部地区への思いと共に「お顔(写真)」も大きく出していらっしゃる。蒲生さんのこの記事をご覧になれば、はじめての人も安心して『移住相談』だったり『住まい探し』をお願いできるのでは、と思っています。
わたしたちも安心して相談してもらえるよう、情報発信に力をいれていきたいと思います。
大矢
去年わたしたちがずっと相談にのっていた「二拠点生活(お住まいの地と函館とを行ったり来たりの方)」が、今年の夏は蒲生さんの物件で過ごしているそうですね。これからもお互い連携を取りながら、新たな視点で移住者支援をすすめていけたらと思います。
この自粛中に、蒲生さんの知っている方で、函館に移住した方っていらっしゃいますか?
蒲生さん
いらっしゃいます。昨年10月のセミナー参加者です。もともと『二拠点生活(お住まいの地と函館とを行ったり来たり)』を考えていた方なんですが、リモートワークを機に「函館に移住してもいいか」と職場に相談してOKが出たそうです。
大矢
「リモートがきっかけで函館移住」という方が実際にいらっしゃるんですね!
蒲生さん
以前は函館に移住したくてもできなかった人たちが、今後は「仕事を続けながら函館に住めるのでは?」と検討しはじめているのではないかと思います。相談者は僕と同世代、30代前半から40代前半の方が多く、函館移住と同時に起業の準備をすすめているご夫婦もいますよ。
大矢
若い世代にとっては「仕事」が決まらなければ「移住」とはならないですからね。
移住検討者に向けて、今後はどのような支援が必要になってくると思いますか?
蒲生さん
函館ってネームバリューはあると思います。ですが去年と今年でツーリズムそのものが大きく変化していますので、これからは従来の切り口だけでなく『危機感』を持ちながら『若い世代』に向けて情報を発信していかなければと感じます。
情報発信の手法はInstagramがメインで、次にfacebookを利用しています。「西部地区のことを紹介したい。移住希望の方にも」という気持ちで発信しています。
大矢
若い世代にも情報が届くよう、わたしたちも従来の手法だけじゃなく、SNSもおおいに活用していかなければと思います。今日はありがとうございました。
■ 課題解決に向けての新たな視点
- オンラインを活用した『顔が見える』移住相談
→ 安心して相談できる環境づくり- SNSの強みをいかして、このまちで暮らす人の魅力を伝える
→ 何より自分たちが楽しく暮らす
今回のゲスト
蒲生 寛之(がもう ひろゆき) さん
函館市出身。合同会社箱バル不動産・代表
株式会社蒲生商事・宅建主任
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、古民家鑑定士1級
NPO法人はこだて街なかプロジェクト・メンバー
【函館しごとネット】函館市経済部雇用労政課 山村さん |
【東京(有楽町)移住相談窓口】認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター |
【函館市窓口】移住ナビfacebookページでの情報発信など 函館市企画部企画管理課 西川さん |
【古民家・リノベーション】合同会社箱バル不動産 代表 蒲生さん |
【函館の起業支援】函館市産業支援センター |
【ワーケーションin 函館】函館市経済部工業振興課 |
【空き家対策】NPO法人はこだて街なかプロジェクト 理事長 山内さん |
【移住サポートセンター】はこだて暮らしコンシェルジュルジュ 谷口 |
約半数が関東・甲信越地方という結果でした。
アンケートの全ての結果は、移住サポートセンターのブログで公開中です。
移住アンケートありがとうございました(2020.9)
移住サポートセンターでは不定期で『移住者の体験談』をご紹介しています。
今回は、二拠点生活(お住まいの地と函館とを行ったり来たり)を送っている方から『移住のきっかけ』『函館の印象』『利用した制度』などについてお話をお聞きしました。
◆ BAR Suginami ◆函館市本町29-23 オールドスタイルホテル函館五稜郭 1F / 電話 0138-84-8873 |
子どもたちの中学進学がきっかけで函館へ
神奈川から函館へ、二拠点生活を送り始めて早1年数か月が経過しました。
函館とのつながりは2015年、長男が函館の中学校へ進学、寮生活を始めたのがきっかけです。長男を連れて函館へ学校見学に訪れた日は、最強寒波の影響で猛吹雪。「こんな大雪!絶対住みたくない!」と言われるかと思いきや、初めて見る大雪に長男は大はしゃぎ。とんとん拍子に若干12歳で親元を離れることとなりました。
私も、年数回の学校行事で神奈川⇔函館を往復するうちに、歴史あり自然豊かな函館に魅力を感じ、さらに昨年、長女も函館の学校へ進学したことをきっかけに、函館と神奈川のデュアルライフ(二拠点生活)を開始。仕事を辞め、五稜郭公園駅から徒歩数分のホテル1Fで「BAR Suginami」とネット通販事業を営みつつ、デュアルライフ(二拠点生活)を楽しんでいます。
友人ゼロからたくさんの方に助けられて
函館には友人も親戚もいなかったのですが、お気に入りの地元店などで顔見知りとなる方が少しずつ増え、2019年4月に本格移住してきたときには、「手伝うことはない?困っていることはない?」とたくさんの方に声をかけていただきました。長く勤めていた東京の職場では、すぐ隣に座る同僚にPCチャットで話かけるような毎日だったので、初めのうちは、函館の人々の近い距離感に少々戸惑いながらも、優しさと温かみを感じました。
移住サポートセンターでは「まちセン茶論」という移住者の集いも開催されており、参加してみました。先輩移住者の方から体験談を聞いたり、移住してから困ったことを相談することもできたので大変助かりました。今では、お店のお客様に「服部さんは、昔から函館に住んでいる自分より友達が多いね。」と言われるくらい、多くの方と知り合い、助けていただき感謝しています。
冬の暮らしで困ったこと
とはいえ、良いことばかりではなく困ったこともありました。
- 冬の買い物が大変。普段、車を持たず自転車生活のため、大きな重い買い物はネットスーパーや通販中心となりました。しかし困ったと言いつつも、首都圏よりタクシー料金が安く、バスや市電も多いので移動に困ることはさほどありません。
- 真冬にボイラーが故障し、しばらくお湯が使えなくなった。近所に温泉があったので助かりました。神奈川では徒歩圏に銭湯がなかったのですが、函館は町中に温泉があり湯めぐりも楽しみのひとつです。
- 水道の凍結が心配。神奈川に帰省時、自宅の水道が凍結しないか心配でした。水抜きの方法やマイナス何度だと危ないのかを、ご近所の方に教えてもらいました。私は、幼少期に札幌に住んでいたので、雪には慣れていると思っていましたが、いずれも北海道ならではの洗礼です。
函館は、都心との距離も環境もちょどいいまち
こうして一年を通して振り返ると、困ったこともありましたが、自分らしく伸び伸びとした生活ができていると感じます。海があり山があり、適度な都会でもあり、少し歩けば観光気分でお散歩。自然の恵みを受けた美味しい食もあり。函館は、都心から移住するのにちょうどよい街だと思います。東京では、通勤で往復2時間を超える時間を奪われ、満員電車に辟易するストレスフルな日常。このコロナ禍において、更にリモートワークのシステムが整えば、首都圏からの地方移住も増えるのではないかと感じます。函館は、まちの中心部と空港が近く、東京に戻るのも先の通勤時間とさほど変わりがありません。場所にとらわれない働き方を検討している方にとって、函館は、距離的にも環境的にもぴったりだと思います。
『二拠点生活』でじっくり検討を
とはいえ、急に見知らぬ土地に移住をするというのは勇気がいることです。そんな方には、私のように『二拠点生活』からはじめてみてはいかがでしょうか。行ったり来たりの『二拠点生活』であれば、じっくりと『終の棲家』にするかどうかを検討できます。ちょっとためしてみようかな、という方がいらっしゃいましたらぜひ一度、私のお店(BAR Suginami)にご相談にいらしてください(笑)。
『完全移住』というかたちだけではなく、私のように『二拠点生活』を実践する方が増えて、行政のサポートや税収システム等が整えば、『新しい生活スタイル』が生まれ、地方経済の活性化にも繋がるのではないでしょうか。
はこまち通信 vol.55掲載(2021年1月発行)
地域の課題を解決するため、まちづくりセンター(以下、まちセン)は2007年のオープン以来、5つのミッションを掲げて活動してきました。2020年度は従来の手法にとらわれず、『新たな視点』を常に持ち続けながらミッションに取り組んでいます。今回は『生涯学習の活動支援』をテーマに、まちセンスタッフでこの13年間を振り返りながら、今後について話し合いました。(2020年11月21日)
① 『学習機会の』支援
- 市民活動団体等の活動(定例会・勉強会・講演会・写真展・絵画展等)の支援
- フリーWi-Fiの導入
- 自習スペースの提供(1階・3階)
- まちづくりの宝箱の設置(2019年12月リニューアル)
- チラシ・ポスター掲示により、市民に『学びの機会』を提供
(まちセン以外の会場も) - 教育機関・高文連などの活動や展示を支援
② 地域学習や市民の要望による講座の開催
- 施設見学や自主研修、地域学習で訪れる小中高生のみなさんからの質問にスタッフが回答。インターンシップの受け入れなど。
- 東日本大震災(2011年)北海道胆振東部地震(2018年)を機に「防災・減災」をテーマにした企画展や講座を開催。
③ 主催事業・共催事業
- NPOまつり(2020年は中止)
- 夏休み工作フェスティバル(2020年は中止)
- NPO法人日本トイレ研究所 加藤 篤さんを講師に招いての講座を開催(2020.10.31) ▶詳細はInfo & Topicks ページにて
2020年度の主な取り組み
[photo①] [photo②] [photo③] |
2019年度の主な取り組み
[photo④] [photo⑤] [photo⑥] |
■ 課題解決に向けての新たな視点
- 小中高生の地域学習・見学への対応
→ 楽しみながら学べるまちセンらしいプログラムの提案- スマホやオンラインを活用した非接触型イベントの実施
→ スタッフのスキルアップ- 感染症対策を様々な角度から検証
→ 最新情報の収集・冬の換気対策の徹底
◎ スタッフによる座談会より
コロナ禍でも動きを止めなかった取り組みのひとつに「函館道南の小中高生の『地域学習』への対応」があります。今年も9~11月にかけて、地元の小中学校から見学申し込みが寄せられました。毎年受け入れている高校生への『地域学習』も、感染症対策を講じたうえで受け入れました。
ご希望の方には、昭和9(1934)年に設置された手動式エレベーターを案内しています。みなさんが大人になってもまちセンで学んだことが記憶に残ってくれたらうれしいですね。
昭和9年の函館大火や、その翌年にはじまった函館港まつりのことを、まちセンの手動式エレベーに乗ったり、階段の大理石にさわったりしながら学べるのがいいですよね。まちセンをきっかけに、子どもたちが函館の歴史に興味を持ったり、函館のことを好きになってくれたら、このまちはもっと変わってくるでしょう。伝える私たちも、正しい知識をしっかりと身につける必要がありますね。
毎年秋に催される「はこだてカルチャーナイト」は、感染症対策を講じた『非接触型』イベントへとシフトしました。コロナ禍にあっても楽しみながら学べるスマホを使った新しいスタイルに可能性を感じました。『すべての年代で』実施できるかどうかは難しいかもしれませんが、まちセンでも検討の余地はありそうです。
「まちづくりは人づくり」とよく言われるとおり、市民の『学ぶ機会』が失われることは地域の損失でもあります。2020年はブレーキを踏むしかありませんでしたが、ウイルスのことが少しずつ分かってきたこれからは『開催への可能性』を探っていきたいですね。
生涯学習とは、わたしたちが『生涯にわたって行う学習活動』です。
『学校教育』『社会教育』『文化活動』『スポーツ活動』『レクリエーショ
ン活動』『ボランティア活動』など、さまざまな場や機会において行
う学習の意味で用いられます。
また『生涯学習社会を目指そう』という考え方や、理念そのものをあらわしていることもあり、わたしたちひとりひとりの『生きていく姿』そのものに深くかかわっているといえます。まちセンが啓発・推進するSDGs(エスディージーズ)17の目標でも「質の高い教育をみんなに」を掲げています。
2020年度は開催を断念した活動や事業がありましたが、2021年度は『新たな日常』を取り入れながら、みなさんの『学びの場や機会』を絶やさぬよう、ひとつひとつ大切に取り組んでまいります。
スタッフに寄せられた主な質問
- 函館の歴史や文化について
- 西部地区の昔と今について
- 建物の歴史や手動式エレベーターについて
- 市区町村魅力度ランキング( ブランド総合研究所による『地域ブランド調査』)の結果や今後について
- 中核市幸福度ランキング(日本総合研究所による調査人口20万人以上の中核市の一部が対象)の結果や今後について
[photo⑦] [photo⑧] |
[photo⑨ ⑩] 手動式エレベーター搭乗希望の子どもたちが密にならないよう1階に待機場所を設置。 |
● まちセンの感染症対策(一部)
● 市民活動団体のみなさまへ
市民活動を行う際にお役立てください!
『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの
北海道の市民活動の再開に向けた基本指針 Ver.1.0』 → ダウンロードはこちら
はこまち通信 vol.56掲載(2021年4月発行)
Web版クーポラでは、紙面で掲載しきれなかった内容も掲載しております!
【対談ゲスト】函館災害情報・松居 孝幸さん
地域の課題を解決するため、まちづくりセンター(以下まちセン)は2007年のオープン以来、5つのミッションを掲げて活動してきました。今回は『情報発信』について取り上げます。
まちセンは市民活動団体の活動拠点、地域のコミュニティスペースとして、これまで情報発信したい方や団体のイベントポスターをセンター内に掲示したり、チラシを配架して情報を発信したい方と情報がほしい方をつなぐ場としての役割を担ってきました。
2020年はイベント数も来館者数も減少。館内の掲示物や配布物だけでは発信力が弱いことからインターネットによる情報発信を強化してきました。ブログは毎日更新を継続中。Twitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)の運用について見直しを図ったほか、2021年1月には函館への移住を検討している方に向けてInstagram(インスタグラム)を開設しました。
対談ゲストに、Twitterで60,000人ものフォロワー数を持つ『函館災害情報』代表、松居孝幸さんをお迎えしてお話を伺いました。フォロワー60,000人とは、たとえるなら函館市民の約4人に1人がフォローしているという数字になります。広報誌クーポラ初のオンラインによる対談となりました(2021年1月28日)。
今回のゲスト
函館災害情報・代表 松居 孝幸 さん函館市出身。 |
【聞き手】函館市地域交流まちづくりセンター(以下まちセン)
クーポラ編集長・谷口 |
センター長代理・大矢 |
松居さんが運営する『函館災害情報』は、2018年9月の北海道胆振東部地震をきっかけに知名度がアップしました。2020年からは感染症情報も丁寧に発信していらっしゃいます。函館災害情報の最新情報が見たいがために『Twitterアプリをダウンロードした』というまちセンスタッフもおります。今日はよろしくお願いします。
さっそくですが『函館災害情報』で主に使っていらっしゃるのはスマホですか?パソコンですか?
松井さん
停電時にPCが使えない可能性を考慮し、当アカウントの更新はすべてスマホです。
まちセン
まちセンはこれまで100%パソコンで更新しておりましたが、停電時を考慮して検討していきたいと思います。
2018年9月6日、北海道胆振東部地震の教訓をいかしていかなければなりませんよね。まちセンでも地震災害を忘れないように、そして災害から復興までは、とても長い年月がかかるということを広く伝えていくために、2021年も募金活動を継続中です。
ブラックアウトのときは『スマホの充電』も備えのひとつとなりました。松居さんは、停電時にどのような備えをしていますか?
松井さん
ポータブル電源2台と、持ち運び可能なソーラーパネルを2台所有しており、大規模災害時にもみなさまに必要な情報を届けられるよう準備しています。予備のスマホを持っていますので、キャリア障害が発生したときに他の回線も使用できる体制を整えています。
まちセン
災害情報を扱うだけに、災害時への備えも万全なんですね。そもそも松居さんがこの活動をはじめたきっかけは何だったのでしょうか。長く続けてこられた理由は何ですか。
松井さん
学生の頃、テレビのニュースで水害(洪水)の報道を観ました。「もし自分の地域で災害が発生したら、どうなってしまうのか…」と考え、専門学校を卒業後の2002年7月、『函館災害情報』のHPをたちあげました。当時はメールマガジンを配信してましたが、2013年からはTwitterを利用しています。新しいサービスが次々と誕生しているため、時代にマッチした情報発信方法を考えており、現在はInstagramなど、他のSNSでも運用を開始しています。
災害による被災者を減らすには、地域のみなさんに、災害への『正しい理解』を深めてもらうことが何より大事だと思います。市民ひとりひとりの『防災意識』が高まれば、減災につながるのではないか、と思いながら活動しています。
ここまで続けてこられたのは、やはりみなさんから日々寄せられる感謝のコメントが一番です。将来は情報発信にとどまらず、災害時に直接被災者支援に向かうボランティア団体の設立や、物資提供の体制等ができればと思っています。
まちセン
防災、減災への思いから、ご自身が知りえた情報を大勢の方に広く発信していらっしゃるんですね。
ボランティア団体設立などの際は、まちセンでもサポートさせていただきます。ぜひお声がけください。
昨日(1月27日)も函館で地震がありましたが、揺れの直後にTwitterを更新していらっしゃいました。
松井さん
スマホには、災害情報を入手するためのアプリを複数入れています。『〇時〇分現在、函館市周辺で、地震が発生した模様です…』と入れた『下書きテキスト』も準備して、地震が起きてから更新までの時間短縮を図っています。
近ごろはどうしても新型コロナウイルスの情報発信が多いですが、災害としてはやはり2018年9月6日午前3時7分59秒に発生した、北海道胆振東部地震が最も印象に残っています。
地震が発生したら、揺れる前にまず『緊急地震速報通知サービス』からの通知が届きますので、スマホのアプリをチェックします。実際に函館でも揺れを感じたら『下書きテキスト』の画面を開きます。『〇時〇分現在、函館市周辺で、地震が発生した模様です…』このテキストをもとにツイートします。
地震を知らせる通知がスマホに届いてからTwitter『函館災害情報』の更新まで、一連の流れを松居さんに見せていただきました。
まちセン
本当にあっという間ですね!驚きました。わたしたちも状況に応じて正確かつスピーディーな情報発信ができるよう、事前の準備に力をいれていきます。
「知りたい」という気持ちは誰もがもっているものですが、その情報を「みなさんにも」という思いが、今の活動につながっているのですね。
今は、ほぼおひとりで運営されてますが、今後は、例えば『若手の育成』だとか、『チームで情報発信に取り組む』ということは考えていらっしゃいますか。
松井さん
他の地域の方から『うちのまちにも函館災害情報みたいなのがあればいいなぁ』といった声が寄せられています。そのほとんどが函館出身の方です。函館を出て、当アカウントのような災害情報サービスがないことに不便を感じていらっしゃるようです。
東京では、当アカウントを参考に『東京災害情報』というアカウントが誕生しました。道南以外の方でも、興味のある方はどんどんチャレンジしてもらいたいですし、やる気がある方がいらっしゃれば、活動のフォローということもさせていただきます。
まちセン
素晴らしい取り組みですね。松居さんの活動をこれからも応援しております。
まちセンの情報発信について
まちセンは『市民活動団体の活動拠点』として2007年にオープンしました。「地域の方も観光の方も、どなたでも」ご利用いただける場所です。これは強みでもあるのですが、活動が多岐にわたるため、Twitterでの情報発信もターゲットを絞り切れず、届けたい人に届いていないのでは、と感じています。
例をあげると、これだけの異なる情報を、すべてひとつのアカウントで発信しています。
市民活動団体に向けての講座やセミナー情報、助成金情報
- どなたでも参加できる講座やイベント情報 (まちセン主催事業など)
- まちづくりセンターが会場の催し、イベント情報
- 施設利用に関する情報、テナント情報など
- インターン・修学旅行生・視察受け入れなどの報告記事
- 地域のお役立ち情報、旬の情報
- 観光情報、函館道南各地で行われるイベント情報
- 函館への移住を検討中の方に向けた情報 (移住サポートセンター)
松井さん
私のまわりにもまちセンって何をやっている施設なのか、よく分からないという人もいます。先日、まちセンのHPを拝見したのですが、ちょっとよく分からないブログがありました。これは何でしょうか?
※松居さんからご指摘があったブログは、SDGs(エスディージーズ)のロゴマークが入った記事でした。さっそく補足したり、関連リンクをつけました。
まちセン
初めてご覧になる方にも伝わる内容を心がけます。ブログへのご指摘ありがとうございます。Twitterもブログと同様、『初めての方がご覧になる』ということを常に意識しながら更新していきます。
松井さん
Twitterも新しい機能が増えているので、私も活用しています。例えば、Twitterには2分間の動画が入れられるのをご存知ですか?プロフィール下の固定記事(トップ記事)に、例えば『まちセンはこんなことができます』というような動画を入れてみてはどうでしょうか。
まちセン
さっそく検討してみます。動画による導入部分があれば、日々の更新情報も、よりはっきりと伝わりそうです。
facebookは、後日テキストの修正ができるところや、文字数・画像枚数の自由度が高いこともあり、まちセンでも活用できていると感じています。その分、Twitterを十分に活用できていないジレンマがあります。まちセンは公共施設という性質上、Twitterでは『まちセンからの発信のみ、一方通行』という使い方に限定してきました。松居さんは積極的にフォロワーの方をフォローして情報提供を受けたりと、Twitterのメリットを存分にいかしていらっしゃいますね。
松井さん
Twitterのハッシュタグ機能もぜひ活用してみてください。テキストに #函館災害情報 をつけていただくことで、どなたでも災害情報を発信したり、情報を得ることができる便利な機能です。
まちセン
ハッシュタグ機能、活用してみます。以前まちセンでも拡散したい情報があって #函館災害情報 をつけたことで、広く拡散していただいたことがありました。「アクロス十字街に献血車が来ます」という記事でした。その節はありがとうございました。
松井さん
Twitterは、過去の地震や停電等の災害発生時でも、影響を受けることなく情報発信ができました。災害に強いツールだと思います。まちセンでもぜひTwitterを活用してみてください。そして災害時に備えて『市民が安心できる体制』を、ぜひともつくってもらいたいです。
まちセン
SNSの特性や機能を最大限に活用してまいります。そして災害時にも落ち着いて情報発信できるよう、体制を整えていきたいと思います。
今日はありがとうございました。
■ 課題解決に向けての新たな視点
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■ 函館災害情報 Twitterアカウント @hakodate119
移住サポートセンター(函館市地域交流まちづくりセンター)は、Instagramアカウント『はこだて暮らし』を開設し写真や動画を使った情報発信をはじめました(2021年1月7日より運用開始)。
話題ははこだて暮らしを楽しむヒント、季節の移り変わりなどです。函館山の麓、西部地区の情報を中心に更新しています。函館への移住を検討中の方はもちろん、すでに函館に移り住んだ方も、そして函館在住の方も、どうぞお気軽にフォローしてください。
移住サポートセンターが配信しているメールマガジンとあわせてご覧いただくと、はこだて暮らしをよりイメージできると思います。メールマガジンの登録もお待ちしております。登録者数は年々増加しており、2021年3月現在、500名を突破しました。
Instagramによる情報発信は、移住サポートセンターが昨年実施しましたアンケートの結果や、広報誌クーポラvol.54の移住特集(蒲生 寛之さんとの対談)を受けて、準備をすすめてきたものです。
■ はこだて暮らし / @hakodatekurashi
URL: https://www.instagram.com/hakodatekurashi/
2021年度より、コンテンツの充実を図ってまいります。公開しましたらブログでお知らせします。
これからもさまざまなツールを活用して情報発信してまいります。
はこまち通信 vol.57掲載(2021年7月発行)
Web版クーポラでは、紙面で掲載しきれなかった内容も掲載しております!
【対談ゲスト】IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者 川北 秀人 さん
地域の課題を解決するため、まちづくりセンター(以下まちセン)は2007年のオープン以来、5つのミッションを掲げて活動してきました。最終回の今号は『交流場所の創出』について取り上げます。
まちセンではこれまでイベントや作品展等がほぼ毎日のように催され、イベントを主催する市民活動団体からは「自分たちの活動を広く知ってもらえました」「共に活動する仲間が増えました」とのお声を、地域の方からは「まちセンに行けば何かやっているね」「ここはいつもにぎやかで楽しいですね」とのお声をいただいてきました。
この1年はまちセンに限らず、あらゆるイベントや集まりが中止、または延期、規模縮小せざるを得ませんでした。このような状況のなかで、まちセンがどのようにして新たな交流の場所を確保していくのかが、大きな課題となっています。
特集の最終回は、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者川北秀人さんをゲストにお迎えし、スタッフ全員で解決策を共有しました。(2021年3月31日)
今回のゲスト
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
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― 今回のクーポラ対談は、まちセンのミッションのひとつ『交流場所の創出』をテーマにお聞きしたいです。
■川北さん
さっそくですがまちセンのみなさんに提案です。ミッションが『交流場所の創出』となっていますが、場所じゃなきゃダメですか?『場所』だと現状は難しいけど、『場』ならできることがあると思いますよ。ミッションは『交流の場の創出』でもよいのではないでしょうか。
■まちセン
これまでは『まちセンに来てもらうこと』が前提でしたので、この状況でいったいどうすれば交流が図れるのか、悩み続けてきました。本当はまちセンに来てほしい、でも表立って『来て』と言えない。ブレーキをふみながらアクセルを踏むような、例えるならそんな状況でした。
川北さんのおっしゃるとおり、『場所』と『場』ではとらえ方が大きく変わりますね。このタイミングで気づくことができて良かったです。まさに『発想の転換』ですね。
2021年度は、2年ぶりに主催事業『NPOまつり』を開催予定です。ただし例年と同様、というわけにはいきませんので、今年は初の『オンライン開催』です。これも『交流の場の創出』の柱として進めてまいります。
函館の市民活動団体にはシニアの会員さんもいらっしゃるので、本番に向けて『オンライン練習会』も必要かと考えています。
■川北さん
年齢による『デジタルの壁』は確かにありますが、高齢者のタブレット端末の保有率は、世界で日本が一番高いですよね。もちろん、それでもまだ、スマホやタブレットをもっていない方もいらっしゃいますので、写真を撮ったり動画を撮影したり、実際に使って見せるといいと思います。「みんなそうやって使っているんだ!これはすごく便利だ!」と気付くわけです。
オンラインなど『交流の手法』は増えていますが、リアル(対面)は絶対に復活させなくちゃいけないので、リアルにもぜひ取り組んでください。例えば、みなさんが市民活動団体の活動拠点(事務所等)に『往診』(訪問)して、困りごとや新たな取り組みを聞き取り、新しい発想で『活動の場』を生み出すこと。これも『場の創出』です。
団体にアンケートを取ることもおススメです。見えてきた団体の課題に、まちセンのみなさんが知恵を絞って、新たな『プログラムの創出』をはじめていただきたいです。
■まちセン
そうですね。今年のNPOまつりのテーマを『一歩ふみだそう』と決めました。私たちまちセンスタッフも知恵を絞り、一歩ふみだしていきます。
川北さんは、全国各地の中間支援施設(まちセンのように、地域のNPO・市民活動団体を支援する施設)をご覧だと思いますのでお聞きしたいのですが、まちセンという空間を客観的にご覧になってみて、どう思われますか?
■川北さん
まちセンは何より天井が高いのがいいですよね。窓も開けられるので、感染症対策を講じながら使える施設だと思います。サーキュレーターもあるとなおいいですね。寒くても窓を開けて換気しなければならなかったので、この冬はみなさん大変だったことと思います。
■まちセン
はい、コロナ禍で迎えた初めての冬は、室内の温度をキープしながらの換気がとても大変でした。昨年末、サーキュレーターの導入も検討したのですが、残念ながら予算の都合上、調達できませんでした。今後も来館されるみなさんの安心、安全のため、何が良いのかを探っていきたいと思います。
■川北さん
今後、感染症が終息したあとの『交流の場(所)の創出』ですが、従来のやりかたに戻すのでは足りないと思います。まちセンのみなさんには、いままで市民活動に興味がなかった方々に働きかける活動を、今のうちからしっかり取り組んでもらいたいです。
例えば地元企業への働きかけや、この空間をいかしたハイブリッドな会議(オンラインとリアル、双方を取り入れた会議)などを、地域の方々に提案してみてください。
■まちセン
ありがとうございます。かつてデパートだった広い空間を最大限にいかして、新たな交流の場を生み出いきたいと思います。
■ 課題解決に向けての新たな視点
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2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため開催中止しましたが
2021年は「一歩ふみだそう」をテーマにオンラインで開催します。
オンライン会議用アプリZoom(ズーム)を利用して各団体との交流を図ります。
★共感できる仲間を見つける
★他団体と協働する
きっかけづくりの場として、どうぞご参加ください。
■PR動画制作
受付は終了しました。9月上旬の公開をどうぞお楽しみに。
■Zoom交流会
ゲストスピーカー・参加申込受付日などの詳細は随時HPにてお知らせします。
交流会に向けて、Zoom練習会を開催中です。
■Webポスター展
市民活動団体のポスターをデータ化して、まちづくりセンターのHPで公開します。内容更新・新規参加の方はご連絡ください。データ締切は7月31日(土)まで。
◎ 主催:NPOまつり実行委員会
▶ 各種お問い合わせ 函館市地域交流まちづくりセンター TEL 0138-22-9700