町会運営研修「基礎編」「実践編」開催報告(2021.10)

10月4日(月)5日(火)の2日間、
まちづくりセンター2階多目的ホールを会場に
まちづくりセンター講座

■町会運営に必要な考え方と実践 ~町会運営研修「基礎編」~

■町会運営に必要な具体的手法とは ~町会運営研修「実践編」~ 

を開催しました。

講師は川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者)。

受講対象は町会関係者・地域包括支援センターの方々です。
受講されたみなさん、川北さん、ありがとうございました。

2日間の講座の内容の一部を、ブログでご紹介します。

■10月4日(月)町会運営に必要な考え方と実践 ~町会運営研修「基礎編」~

【自己紹介・悩みごとの発表】
「基礎編」に参加されたみなさんと、悩みや困りごとに耳を傾ける川北さん。





【町会のデータを知る・未来を知る】
川北さんより、国勢調査等によるデータに基づいた

2020年の函館市が「100人の村」だったら?

の発表がありました。
函館市では、全国平均よりも約20年早いペースで
高齢化がすすんでいることなどが示されました。

次に、参加いただいている町会ごとの
2020年の〇〇町が「100人の村」だったら?
が表示され、
全般的に高齢化や少子化が進んでいる町会として
どう向き合うか、改善策等を全員で共有しました。

参加された町会の中には、
18歳未満の子どもが同居している世帯の割合が
全国平均レベルの町会もあり、
子育て支援対策が重要なエリアであることも示されました。

ソシオマネジメントvol.10より 
2020年の函館市が「100人の村」だったら?


「町会の役割は、地域の人々の『いのちとくらしを守る』こと」

と、2日間にわたって何度も強調していた川北さん。

例えば、町会が推進する防犯対策も
「子どもが多いエリアでは『見守り活動』が大事になり、
 高齢者が多いエリアでは『詐欺に遭わないための活動』が大事になります」
と、データを活用し、自分たちの町会にあった取り組みを
推進することを学びました。

【他のエリアの取り組み紹介】
小規模多機能自治がすすんでいる
島根県雲南市の取り組みをはじめ、
他のエリアの事例もたっぷりと紹介していただきました。
講演終了後、数多くの事例を掲載する関連書籍
ソシオマネジメント vol.3  や vol.6
を買い求める方もいらっしゃいました。

【町会カレンダーの配布】
「町会役員の負担を軽減するために
 『時間の使い方』を考え直しましょう」と川北さん。
実際に、町会の行事や活動がどれだけあるのかを明らかにし、
住民のみなさんと共有するため、
総会、清掃活動、草刈りまで、年間行事すべてを記入できる
町会カレンダーの書式を参加者に配布しました。

このカレンダーは町会役員の引継にも応用できます。

【ディスカッション・質疑応答】
二人一組になってのディスカッションタイムが設けられ、
参加者同士の悩みの共有、交流が図られました。
「うちの町会ではこういう優れた取り組みをしています、
 という場もあるといいですね。
 函館でも自慢大会、しませんか?
と川北さんから提案がありました。

【フォローアップ研修・発表・質疑応答】
「基礎編」の最後に、地域包括支援センターの方を対象に
研修を終えての振り返りを発表していただきました。
このなかで
「今、地域に必要なのは、すでにいる多様な人材を生かせる
 プロデューサーやマネージャーのような人です」
と語る川北さんに、大きくうなずく参加者が多かったです。






■10月5日(火)町会運営に必要な具体的手法とは ~町会運営研修「実践編」~

前日の「基礎編」、もしくは2021年3月に開催した
小規模多機能自治の講座に参加された
町会関係者・地域包括支援センターの方を対象に、
さらに踏み込んだ内容の研修「実践編」を開催しました。

【町会のデータを知る・未来を知る】
前日の「基礎編」と同様、国勢調査等によるデータに基づいた
地域の特性を把握し、
今後の予測や効果的な改善策等を共有しました。

2020年の〇〇町が「100人の村」だったら?


【町会行事をまとめてみよう】
前日の「基礎編」でも配布した書式に、
感染症拡大前の2019年度の実際の町会の
行事や活動を記入してもらい、
重ねることができる行事がないかどうか、
町会関係者のみなさんに考えてもらいました。

具体例として川北さんより
「地区のさまざまな団体の総会を同日に
 時間をずらして開催し、1日で終わるようにする」
「町会の運動会と避難訓練を一緒に行う」
などのアドバイスがありました。
このことにより、町会役員だけでなく
住民の負担も減らすことができます。

【町会活動の本格再開に向けて】
2022年度は、どの町会でも中止していた
行事やイベントの再開を検討したり、
感染症対策をとって活動を再開したりという1年に
なることが予想されます。

川北さんから
「町会活動の本格再開に向けて検討会議を開いたり
 地域住民へアンケートを実施してみては
と提案がありました。

アンケートについては、調査前の注意点、
集計時のポイントなどを教わりながら、
設問の設定をシミュレーションしました。

『エアまつり』の開催もおすすめです。
 イベント動画を町会関係者で視聴して、過去を振り返り
『次回からどのように再開するか』話し合ってみましょう」
と川北さん。


【2年後の町会組織図をイメージしよう】
「今後の時代、今後のくらし、今後の働き方にあった
 組織図、町会活動に進化させましょう」と川北さん。
町会役員の負担を減らすしくみづくり、
組織の見直しが必要と語りました。

【ディスカッション】
参加者2~3人が一組になって、悩みの共有、交流を図りました。


【フォローアップ研修・発表・質疑応答】
「実践編」を受けての振り返り、発表、質疑応答を行いました。





「町会役員のなかには、新しいことに抵抗がある人もいる。
 今回、川北さんから学んだ新しい取り組みを、
 どうやったらうまくすすめられるだろうか」
といった質問に対して、川北さんより
「住民が町会に何を期待しているかを把握するアンケートが第一歩。
 実施の際は、中学生・高校生・大学生の力を借りてみましょう」
といった具体的なアドバイスがありました。

センター長の丸藤からも
「函館には、地域学習に熱心に取り組む学生が多いです」
という補足があり、みなさん真剣に耳を傾けていました。

このほか
「この講座でたくさんの方と交流できてよかった」
という喜びの声や、
「女性が元気な町会は元気ですね」
といった明るい話題もありました。

今後もまちづくりセンターは、まちづくりに関する講座を企画してまいります。
10月20日(水)21日(木)には、どなたでも参加できる
「まちづくりひろば2021」を開催します。

まちづくり・SDGs・防災を学ぶ4講座『まちづくりひろば2021』受付中



事前申込制、定員あり。感染症対策をとって開催します。
まちづくりに興味をお持ちのみなさんのご参加をお待ちしております。

 

by くきさわ