みなさんこんにちは、オタジィラスタッフのおにぎりです。
みなさん、絵本『実行寺の小坊主とっ珍さんはおおいそがし』はご存知ですか?
以前まちセン活動日誌でも紹介された、函館生まれのおはなしです。
この『とっ珍さんさんはおおいそがし』。
平易な言葉で書かれた子どもでも楽しめる絵本ですが、函館の史実がもとになっています。
舞台はおよそ150年前の函館。
実行寺の小坊主・とっ珍さんは、お寺にやってきたロシア人領事一行のお世話に大忙し。
そこで歌われたロシアの歌(ハリストス正教会の聖歌)に魅せられてしまいます。
ロシア領事一行が実行寺から現ハリストス正教会へ領事館を移してしまってからも、
和尚さんには内緒でとっ珍さんはそのあともずっと聖歌を聴きにいったというおはなしです。
解説によると、当時の函館ではさまざまな国の領事を受け入れ、
「宗教の異なる外国人を住まわせるだけでなく、
境内に仮聖堂を建てる許可まで与えるという寛容な心で接し」たとのこと。
そこでうたわれたハリストス正教会の聖歌が、日本で初めての混声合唱とも言われているそうです。
お話の中のとっ珍さんも大忙しなんですが、実はこの絵本も大忙し!!!
この絵本は日本語、ロシア語、英語の3ヶ国語で書かれていて外国人の方でも読むことができるため、
今夏に函館に訪れた北海道国際交流センター(HIF)の留学生が、
帰国する際にこの絵本を母国まで持ち帰り、学校や教会等で広めてくれているということです。
その他、函館から送られた絵本は国内国外問わず、どこへでも飛び回って大忙しなのです。
もちろん、函館市内の小中学校の英語・社会科の教材として使われていることも。
本日オタジィラでも、里帰りで函館にいらしたという女性が、
「とてもいい本ですね、ロシア人を相手に仕事をしている外国人の主人も喜ぶと思います!」と
テーブルでお子様と一緒に読んだ後にお買い求めていただきました。
とっ珍さんはこちらのサイトでも紹介されているのですが、
こちらでは、とっ珍さんのこの絵本を通して函館の魅力が書かれていて、とても嬉しいです。
最近、ハコダテ150(函館開港150周年記念事業公式ウェブサイト)でも商品のお取り扱いを始めたようです。
実は、作者・あまさかゆう(ペンネーム)さんは、うちの店長の実のお母さんということで、
我がcafeオタジィラでも自信を持ってお取り扱いしております。
配送料はご負担になりますが、ご希望の方は全国各地にお送りいたします。
是非お気軽にお申し付けください。
函館は異国情緒あふれるにぎやかな街として知られています。
ですが、今のような街になった裏には、当然何か元となる出来事があるものです。
その元となった史実を、絵本を通して気軽に読み、学び、楽しむことができます。
函館をよく知らない人も、よく知っている人も、是非一読してみてはいかがですか?
私自身、非常に楽しく読めました。
函館の昔をもっと知って、函館をもっと好きになりませんか?
実行寺の小坊主「とっ珍さんはおおいそがし」
~江戸時代日本で初めてハリストス正教会の聖歌が流れた函館のお寺のおはなし~
2008年7月刊 文・あまさかゆう 画・佐藤国男
函館メサイア教育コンサート実行委員会 発行
ハードカバー 1,575円
小冊子(内容は同じ) 630円